今日出会ったヤンキーのお話

taka30002006-08-17



おれは、定期券を買うために、駅の窓口にいた。
「では通学証明証をお願いしまーす。」
きれいなおねいさんが対応する。
これで何度目だろう。
いつのまにかに駅で女の人が働くのも珍しくなくなったよなぁ
などと考えながら、学生証を取り出す。


すると改札の内側の入り口から
ガルフィーのジャージにサングラスをかけた
そう白のシルヴィアとかが似合う感じの
こてこてのデブヤンキーが入ってきた。
なんか「駅」の情景におもいっきり似合わない人だなと思った。


おもむろに切符を差し出しながら、早口で
「これ、払い戻して。」


ハライモドシ?
日本語を喋れ、日本語を
「単語」で喋るやつは嫌いだ。
たぶんそこにいた人はみな状況が飲み込めなかった筈。
改札の内側から入るって事は切符切ってあるはずで、
払い戻しは無理だろーなと思いつつ、定期の代金を財布から取り出す。


ヤ「池袋行ってきて。
改札出てねぇから、ん〜あと忘れた」


えぇ、つまりキセルの自己申告?
あといったい何を「忘れた」のだろうか?なんだか笑いがこみ上げてくるが、
平静を装って、定期ができるのを待つ。
どうやら一番安い切符を買って、池袋まで人を見送りにでも
行って帰ってきて、130円そこいらの切符を払い戻せと言っているのか。


頼り無さそうな駅員おっちゃんが対応する
「払い戻しはできませんよ―」


ヤ「はぁん?」


となんか言われたら怒り出すつもりできたのだろう
まってましたとばかりに食ってかかり、おっちゃんにガン飛ばし。


だが駅員のおっちゃんひるまずに続ける
「―お客さん池袋まで行ったんですよね?
むしろ往復の分の切符代をもらわないと」
正論。おっちゃん意外とやるね


ヤ「はぁ?だから降りてねえって言ってんだろ!!」
怒鳴る怒鳴る。だからキセルだってそれ


駅員のおっちゃんも負けじと声が大きくなる。
「だーかーらー降りたかどうかじゃなくて
池袋まで行って帰ってきてんでしょ!
差額は払ってもらわないと!」

自分でさっさと手口言っちゃったから
ヤンキー、反論はできない。
「ぁんだと?」などと言うも
おっちゃんを睨みつけることはやめない
だがおっちゃんの答えは変わらず。


膠着。ヤンキー、なんだか成す術のなさが滲み出ているのが哀れだ。


「はい、おつりと本日からの定期券になりまーす。」


そうこうしているうちに定期券ができた。
おれは、定期券を<なんか大変ですね>といった感じの笑顔で受け取ると
窓口のおねいさんもそれを察してか、笑顔を返してくれた。
ヤンキーとおっちゃんの押し問答の顛末が
このあとどうなるかすんげー気になったけど、
そんな暇もないので出口へ向かった。

思ったこと

ヤンキーもある面で素直だったんだろう。
なにかと手はあったろうに
けどいろいろなことを知らなすぎたみたいだ。
つまり「馬鹿」なんだ。
こういう人ってふつうの人と違ってちょっとシンプルな
世界の見え方をしているんだろうなぁ
時々うらやましくなるよ。


「怒りは無知」「泣くは修行」「笑うは悟り」